頭痛、肩こり、腰痛でお困りなら、痛み止めやシップ、マッサージなど一時しのぎではなく根本的に改善しませんか?

プロテニスプレイヤーである錦織圭選手が、オステオパシーに希望をかけたニュース

10月末、男子テニスの世界ランク15位・錦織圭選手が右手首の腱損傷を治し完全復活するため、ベルギーへ行きオステオパシーを受けてリハビリを行っているというニュースがありました。

「ニシコリはなぜここで?」 錦織、リハビリが現地ベルギーで話題、選択のワケは…
(Yahooニュース)

このニュースは私にとってはとても嬉しいニュースです。

「オステオパシー」は解剖学・生理学などの医学に基づいており、医学的根拠のある、非常に優れた治療法(概念)であるにも関わらず、純粋なオステオパシーから離れ、様々な手法を扱う治療家それぞれがオステオパシーを名乗ることで、質の低いオステオパシーが蔓延し、オステオパシーの価値を下げているのが現状です。

錦織圭選手の症状である右手首の腱損傷、詳細に言えば「尺側手根伸筋腱」の断裂ということですが、そもそもこのような状態にマッサージ等の筋肉へのアプローチは効果がありません。

また、関節だけをボキッと矯正する手技を用いても、効果がないことは想像がつくでしょう。

錦織圭選手の症状がどのように作られたか、なぜ治らないのかを考えていくと自ずと必要な治療は理解できます。
 

錦織圭選手の症状

まず、今回の右手首の腱損傷、「尺側手根伸筋腱」の断裂とはどのような状態なのでしょうか。
 

尺側手根伸筋腱の断裂とは

これは尺側手根伸筋という、肘のところにある「上腕骨外側上顆」から小指の根元にある「第五中手骨底背面」に付着する筋肉があり、末端に近くなるにつれ腱に移行していきます。

尺側手根伸筋腱の断裂とは、この尺側手根伸筋が腱に移行した部分の完全な断裂、または一部断裂を指します。

錦織圭選手のケースではMRIの結果、尺側手根伸筋腱の一部断裂ということですが、どの程度の断裂なのかまではわかりません。

この尺側手根伸筋腱の一部断裂では、断裂の程度により治癒期間は変わってきますが、日常生活に使えるようになるまでがおおよそ3~4週間、テニスの練習が可能となる時期がおおよそ8週間、プロテニスの試合に復帰するとなると、リハビリの期間が必要ですのでおおよそ3ヶ月以上は必要となります。
 

なぜ痛めてしまったのか

テニスプレイヤーだと多かれ少なかれ微細なレベルで腱や筋肉は損傷します。

特に尺側手根伸筋腱というのは、サーブやバックハンドなどの際に強く負担のかかる部分ですので、テニスプレイヤーにとっては痛めやすい場所になります。

しかし、錦織圭選手のように痛めてしまう選手もいれば、まったく痛めない選手もいます。

どちらも同じくらいハードな練習、ハードな試合をしているテニスプレイヤーですが、なぜ痛める選手と痛めない選手が居るのでしょうか?

痛めても治る選手と、痛めてしまいずっと治らない選手と言い換えてもいいでしょう。

これは、その損傷を治す機能「自然治癒力」が低下しているからに他ならないのです。

人は誰しも自然治癒力といって自分のカラダの不調を治していく仕組みがあります。

これはケガが自然と治る経過と同じです。

自然治癒力が最大に得られるカラダの状態ができていれば、損傷してもすぐに治癒してしまうし、そもそも痛めません。

問題なのは、錦織圭選手がなぜ「自然治癒力」が低下している状態になってしまったのか、というところです。
 

錦織圭選手が手首を痛めてしまった根本の原因は

その一つは、2009年に起こした右肘の疲労骨折です(本当は右肘ではなく、上腕骨または橈骨・尺骨からなる前腕骨の骨折です)。

このとき錦織圭選手は骨折に対して内視鏡手術を受けています。

おそらくこのことが大きく影響しているでしょう。
 

骨折と骨癒合について

骨折というのは固定して時間が経てば完全にくっつくというのが世間の常識ですが、これは大きな間違いです。

過去に骨折した部位をレントゲンで確認すると、時間がいくら過ぎていてもいつまでも骨折部が確認できる状態があります。

世間の常識で言えば、骨が元通り、または元よりも太くなってくっつくので、いつまでも骨折線が見える、というのはおかしいと思いませんか?

実は骨は折れてしまうと、二度と元通りくっつくことはないのです。

骨折して治癒した、くっついた状態と思っていたのは、実は強力な線維でくっついているだけで、骨組織で連続性が戻っているわけではありません。

骨は、その一つ一つに周期的な自然な動き、「一時呼吸」と呼ばれる動きがあります。これは息の呼吸のリズムとは違い、触れて感じることができます。

ちなみに、オステオパシーではこの骨の動きを確認しながら治療を進めていきます。

過去に骨折した部位は骨の連続性が取り戻せたわけではないので、骨の運動もちぐはぐになってしまいます。

ちょうど骨折部・骨折線を境目として、反対の動きをするようになってしまうのです。

このことは、カラダにとっては大きな問題となります。

時間の経過とともに、骨膜に付いている筋肉や靭帯、その他の様々な「膜組織」に常に影響を与え、組織の緊張を生み、それらの組織を介して他の骨や内臓に歪みを作り、姿勢や骨盤の適正な位置関係を崩し、症状を生み出します。

一つの骨折が全身の症状を作り出してしまうのです。
 

錦織圭選手の場合は

さて、錦織圭選手の話に戻ります。

錦織圭選手が疲労骨折をしたのは肘(本当は右肘ではなく・・・略)です。

そして、今回痛めた手首は・・・手。

これは決して無関係ではありません。

必ず前回の骨折、そしてその時に行った手術による影響、さらに右肘内部の手術時の出血により癒着が起こり、さらに影響を与えています。

また、プロテニスプレイヤーということで、特に利き腕には強い衝撃が何度も入っています。

交通事故や転倒などでカラダに衝撃を受けることがあります。

その時受けた衝撃によってケガや骨折などの外傷がなくても、カラダの内部では組織に衝撃が入ると組織が強く緊張し、様々な部位に不調を作ってしまい、その不調がまた別の部位の不調を作り、症状を作っていく、という流れがあります。

交通事故を受けて、何年後かにムチウチなどの症状が現れるのと同じです。

錦織圭選手の手首にはその衝撃が何百回、何万回と入っているのです。

これは、とても強い病変を作ってしまいます。

ここまでのお話では、錦織圭選手の肘の問題までしか触れていません(調べましたが、それ以外の原因となる経歴がありませんでした)。
 

症状を作っている原因はそれだけではない

ですが、不調を作るのは骨折や手術、衝撃だけではありません。

出生時の問題(帝王切開、鉗子分娩、吸引分娩、仮死状態)、捻挫や大きな外傷または手術による切開と縫合、病気、心理的な問題、腸を固くしてしまう間違った食事など、今までの人生で受けた様々な要素が根本的な問題となり、症状を作り出しています。

そのため、錦織圭選手の過去に上記のような経験があれば、それが根本的な問題となり、今回の症状を生み出した可能性もあります。
 

まとめ

今回は、錦織圭選手の今回の症状の根本的な原因について考察しました。

あなたはどう受け取りましたか?

どのように感じたでしょうか?

ここに記載したような状態が実際に起こり、それらの問題を解決しなければ根本的な解決は得られないでしょう。

この記事の最初に、マッサージやボキッと矯正する手技だけでは改善しないという理由が、あなたに伝わっていれば幸いです。

では、どのようにして今回のような症状、またはカラダの各所の不調を改善していけば良いのか?

それらを全て改善できる可能性があるのが「オステオパシー」なのです。

オステオパシーでは、筋の緊張、骨のズレ、姿勢の歪み、骨盤の矯正、内臓の位置の調整や活動性の向上、脳脊髄液や血液・リンパなどの循環改善、ココロの問題など精神的な解決など、これら全てに対し施術を行います。

そして、その最終目標は「自然治癒力の向上」です。

オステオパシーは、その手技で治すのではありません。

オステオパシーの手技で向上した「自然治癒力」によって、あなたのカラダ自身が、あなたの最適なカラダの状態へと向かって治癒していきます。

そのため、どのような症状に対しても改善の可能性が十分にあります。

 

ちなみに錦織圭選手の場合には、

・右肘の癒着による組織の緊張の解除
・骨折部を境目とした骨の一時呼吸の改善
・断裂した筋や腱と手首、上肢全体、カラダに伝わった衝撃を抜く
・頭蓋と仙骨システム正常化による脳脊髄液循環の改善化

これらの施術が最低限必要となるでしょう。

 

今回、錦織圭選手が「オステオパシー」を選ばれたことはとても適した、優れた選択であると思います。

ぜひ、良いオステオパス(オステオパシーをする人のこと)と出会って欲しいです。

そして、また錦織圭選手のプレイと活躍を、早く観たいですね!